sweet melodies

「sweet melodies」

(606mm×500mm キャンバス/2019年制作)

 

 

人間は言葉を通して、世界に触れている。

っていうのは、たぶん本当だと思います。

 

言葉というカメラのレンズを通して、世界を見ている

と言い変えても良いかもしれません。

 

「空」という言葉があるから、「空」を「空」と認識できる。

「悩み」という言葉があるから、「悩む」ことができる。

 

言葉の世界が、人が認識して体験している世界をかたち作っている

というのは、確かにそうなんだと思います。

 

語彙(ごい)の多い人はそのぶん、世界からたくさんの贈り物を引き出せるし

広い世界に住んでいる、と言えるかもしれません。

 

例えば、「雨」という言葉がありますけど

「春雨 (はるさめ)」「五月雨(さみだれ)」「時雨(しぐれ)」みたいに

季節や降り方で、いろんな別名があります。

 

言葉を知っていれば、それぞれの情感を味わうことができるし

その情感を使って、細やかに表現することもできたりします。

 

言葉を知ることは、自分の世界に

新たな彩りを加えることだと思います。

 

やっぱりそういう意味で、人間の生活にとって

言葉はとても重要な鍵を握るものなんですよね。

 

 

だけど一方で、最近「言葉でっかち」になっている人が

なんだか多い気がするんです。

 

言葉の外にも、広大な世界が広がっていて

言葉で表せない大切ものが、実はたくさんあるってことを

忘れてしまっていないかなって、ちょっと心配に思うんですよね。

 

「頭でっかち」になる、ということは

「言葉でっかち」になるということ。

 

 

言葉の前に、生身の人間としての、あなたと私がいるってことだったり。

言葉の前にある、まだ名前がついてない感情や感覚だったり。

人間という小さな存在を越えたところにあるものを、感じることだったり。

 

そういうものを、置き去りにしてしまっていないかなって。

 

言葉で考えることも大事だけど

その前に心と身体で感じることが、何より大切だと思うんです。

 

 

 

と、ここまで、長ーい前置きになってしまったんですけど、

音楽は、そんな言葉の呪縛から、私たちをあっという間に

抜け出させてくれる魔法のひとつだと思います。

 

その感覚は、説明できないし、説明不要。

言葉にできないんです。

メロディーとリズム、それが組み合わさった時に生まれるエネルギーって

魔法としか言いようがない。1足す1が2じゃない世界。

 

言葉の外に意識を連れ出してくれるんです。

言葉を超えて伝わってくるじゃないですか、音楽って。

 

 

言葉の世界に疲れた時。

言葉の前にある感覚を取り戻して、自分のバランスを取り戻したい時。

音楽はきっと、味方になってくれると思います。

 

 

言葉は人間にとって、重要なもの。

だからこそ、うまく付き合っていくために

ときどきそこから抜け出して、プハーッと一息つくことも必要だと思います。

 

何も考えずに、音にたゆたう。

そんな時間が、きっとあなたの心を回復してくれるはずです

 

 

(えっ!!宣伝じゃないですよ。。笑。

でも私の2ndアルバムの「おとにたゆたう」も

きっとそんな一枚になってくれるといいなーっと!)

 

 

 

今日も読んでくれて、ありがとう。

心の形が似ている仲間たちの元に、穏やかな時間が訪れますように。